テンデンス 2002  世界最大の国際消費財専門見本市
2002年 8月30日から9月3日 インターナショナル・フランクフルト メッセ会場

世界最大の規模をほこる国際消費財見本市テンデンスは8月30日から9月3日の日程でドイツ・フランクフルト市の見本市会場で開催された。今回のテンデンスは86カ国から4444社が出展した。内訳は2456社がドイツ国内か1988社が外国からの出展社となっている。会場には1〜10号館、及びギャラリー、フォーラム延べ321,500平米が使用された。

http://www1.tendence.com/tend_ffm0008/


 ■ドムス・アンド・ギャラリー

モットーは“君のスタイル生きろ”。インテリア装飾品関係を紹介する。出展社は812社(内303社は国外から)。この中でさらにLOFT(ロフト)、Bel・Etage(ベル・エタージュ)、Gallery(ギャラリー)の三部門に別れる。

ロフトは“アバンギャルドとライフスタイル”がテーマ。4号館・1(日本流には4号館二階)を中心に220社が若い、新しい明日のデザインを展示する。
ベル・エタージュは“コンセプトのある暮らし”がテーマ。3号館で生活を潤いのある豊かなものに演出するための小さい家具、装飾品を展示する。エスニックから風水に至るまでマルチ・カルチャーの風潮が見られる。
ギャラリーでは“暮らしかたとオリジナリティー”がテーマ4号館・0(日本流の一階)で額と絵画の展示が見られる。現代芸術のオリジナルや高級印刷で複製された作品と額が生活空間のアクセントとして紹介されている。

 ■プレセント・アンド・クラフト

2135社によるプレゼント商品の幅広い紹介。商品の種類によって7つの部門に分かれ1、2、4、5、6、8号館を使用して紹介されている。Carat及びCarat Creative(デザインジュウェリー)、Gift Unlimited (大きな範囲で包括されたありとあらゆるプレゼント商品)、Parfuemerie(香水、化粧品関係ボディーケア用品など)、Papeterie(紙製品)、Festival(お祭り用品、クリスマスパーティーなど)、Forum Arts&Craft(現代作家による種工芸作品)、Praesent & Wohnaccessoires(プレゼント用品、アジア、アフリカ、ラテンアメリカから。)


タボラ・アンド・クッチーナ

キッチン全般に関連のある商品を1568社が紹介する。以下の三つの部門に分けて紹介されている。

タボラ・セレクト: 10号館(6階建て)全体を使用して高級ガラス、磁器、陶器商品及びナイフ・フォーク類を展示。
タボラ・トップ・トレード :9号館・2及び3(9号館3階と4階)でボリュームビジネスの取り引きをベースに個性的な生産を目的とした商品を展示。
キッチン&ハウスウェア+キッチン・トレンド : 9号館・0(9号館一階)ではマダン・キッチンに欠かせない商品を焼型からキッチン・マシーンまで幅広く紹介。合せてキッチン・トレンドではキッチン・アクセサリーを多様な商品群で紹介。

テンデンスの開催責任者ニコレッテ・ナウマン女史からのメッセージ

フランクフルト見本市の歴史は古く、すでに750年前から記録に残されていますが、それは各地にあった物々交換市や小売市ではなく当時からすでに国際的なオーダーメッセでした。このフランクフルト見本市の母体である見本市は今も市内にその名の残るローマーと言う地域で開かれていました。見本市はその後、第二時世界大戦前まで春と秋に開催されていました。第二時世界大戦中の中断の後、1948年にはもう秋の展示会が再開され1949年には春の展示会(後のアンビエンテ)が再開されました。この秋の展示会が1996年にテンデンスと改名されたのです。この消費財見本市は歴史規模ともに世界一を誇っています。

今回のトレンド・キャッチフレーズはミックス・アンド・マッチです。去年からすでにその様子を呈していたシーズン性がなく、形は去年からのシリーズで、色使いなどのバリエーションでコンビネーションしていく物が目立ちます。削り落とされ無駄のない浄化されたミニマルな形体と柄物やパルテルトーンの色使いなどが混ざり合い新しい方向性を示しています。
TENDENCEドムス・アンド・ギャラリーではインテリア装飾品関係、プレセント・アンド・クラフトではプレゼント商品の幅広い紹介、タボラ・アンド・クッチーナではキッチン全般に関連のある商品を紹介する三つの部門に分かれています。

訪問者側、展示社側ともに大変満足出来る見本市として毎回成功を収めています。“

記者クラブの最終報告によると:

* 当初あまり大きな期待を持てなかった状況と裏腹にTenens2002は消費財産業に前向きなシグナルを送った。

* 十分な満足がもたらした10万人を超す国際的な専門入場者がフランクフルトを訪れた。

経済状況としては弱い背景の前でTendence 2002は前向きな傾向のシグナルを送ることができた。TEBNDENCEは最重要な秋冬のオーダー・アポイントメントとして8月30日から9月3日までの5日間、86カ国4.444の出展社が321500平米の会場で10万人の入場者を迎えて開催された。

大変難しい景気状況の中, 世界最大の消費財見本市として消費財産業に意味あるインパルスを与える立場を証明した。 フランクフルト見本市会社 社長のDr.ミヒャエル・ペーター氏は“Tendenceは秋冬シーズンの最重要見本市である事は展示社側からも訪問者側からも認められている。”と語る。

Tendence 2002では買いの前向きな気分と躊躇が平行してあったといえる。最高の売り上げ記録から全くの不振、購買ラッシュから購買拒否までと、今回のTendenceはこれらの対照性を明らかにする見本市であったともいえる。

10万人の入場者の90パーセントは今回のショーのに満足し、彼らの訪問目的を十分に果たす事が出来たと感じているいう結果が出ている。また、専門バイヤーの質も前回と比較して向上しておりドイツを代表する コジオール・ゲシェンクアルティケル社のステファン・コジオール氏は“我が社では今回驚くほど多くの輸出コンタクトが得られました。将来的に輸出が伸びるのは間違いありません。”と語る。*注)コジオール社の製品の一つはインターネットからダウンロード出来る写真の中のゴム輪かけが紹介されている。

Tendence2002の最新の信条は“魂のためのデザインを個性的なサイズで”Mix&Machは秋冬のトレンド。ライフカルチャーに欠かせない色彩豊かなエレメントをコンビネーションする。現代的な強い色合いのアクセサリーデザインをアクセントとし、力強く明るい自然な色合い、たとえばディープ・ブルー、オリーブグリーンやボルドーレッドをやわらかな自然な素材、たとえばフェルト、ウール、ビロードに与えて心地よさを盛り上げる。形体の美しさと実用性が革命的な製品を生み出している。

市場の方向性を明示しインスピレーションを促するために見本市会社は特別展のWindowやCoffeeを企画した。デザイナーとアーティストたちによるクリエイティブなアイデアで新しい製品を紹介する場を提案している。

フランクフルト見本市は市場の変化過程を予測しアクティブに対処し、2003年からのTendenceにおけるコンセプトを発表した。最前提にメーカーを立てるのではなく、消費世界を最終消費者のための重要なライフスタイルの分野として前面に描き出す。新しいキーワードは“モダン・リビング”、“エモーション”、“ジョイ”、“ファンクション”。

次回Tendenceは2003年9月22日から26日まで。

Ambiente2003は2003年2月14日から18日まで。

展示会取材

Ai Kobayashi 小林 あい

ドイツ駐在のフリーライター
丁寧で正確な仕事とわかりやすいレポートでドイツ情報を提供
繊研新聞、フットウエアプレス等の特派員
今回のテンデンス展では取材のコーディネートから取材、報告まで活躍してくれた

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